学部長挨拶

ホーム > 学部長挨拶

学部長挨拶

国際教養学部で学ぶ皆さんへ

国際教養学部長
明木 茂夫

国際教養学部とは、英語以外にドイツ語・フランス語・ロシア語・スペイン語・中国語の五つの言語を学び、それを通して外国の文化や社会や歴史を学び、そして国際化社会に対応できる能力を身につける、という学部です。その点では、語学を中心にした外国語学部とはやや異なっています。外国語の運用能力を基礎として、世界の様々な地域のことを、今のことも昔のことも、幅広く学ぶことが本学部の一つの大きな特色なのです。ここで私自身のことを記すことをお許し下さい。

私の本来の専門は中国の古典、つまりいわゆる漢文です。しかも楽律論というお堅くて理屈っぽい分野です。もちろんそれはそれで勉強していてとても楽しいのですが、それ以外に近年は日本の漫画やアニメの外国語翻訳についても調べ始めました。日本の漫画が海外でも人気があると言われます。しかし漫画に出てくる日本語には独特の言い回しや崩した表現が頻出するため、外国語に訳すのがなかなか大変なのです。日本の生活習慣に根ざした表現もそうで、例えば「コタツでミカン」というネタが出てきたとき、そもそもコタツというものがない国の言葉に訳すことは不可能で、しかもコタツとミカンという独特の雰囲気を伝えることがなかなか難しいのです。また百人一首のカルタ取りがテーマになっている作品ですと、日本の和歌や競技カルタについて知らないと話の筋が分かりません。そこで英語や中国語やその他の外国語版では、訳語を工夫したり、訳注を欄外に加えたりと、大変な苦労をしているわけです。逆に私たちが外国のそうした作品を日本語に訳すときにも、同じような問題にぶつかります。そうした例をいろいろ見ていて痛感するのは、たかが漫画の翻訳と侮ってはならない、そこには各国の文化や習慣の違い、歴史的背景など、極めて広い範囲の教養が必要となるのだ、ということです。漫画以外の様々な事柄についても同じことが言えます。

本学部には幸いなことに、外国語以外に人文、自然、社会、体育、新領域・教職と様々な分野の専門家たる先生方がそろっています。私自身、自分の専門以外のことをいろいろな先生からいつも教わっています。本学部で学ぶみなさんも、様々な授業を受け、積極的にいろいろなことを学び、多くの先生方と交流しながら、外国語のしっかりした基礎を築き、そしてこの世界を形作る様々な事柄について幅広い知識を身につけていただきたいと、心から願っています。

トップ